簡単に構造説明
アンテナセット:Hamstick Antenna と専用チューナーを直結し一体化したもの。
専用チューナー:金属製防水ケースの中にバンド毎のπマッチ回路を内蔵したもの。
ダミーチューナー:上記のケースで内蔵回路を50Ωフィーダーに入れ替えたもの。
専用ホルダー:アンテナユニットの専用チューナーケース部分を収納する全バンド共通の固定器具。
アンテナアナライザーを使っての調整方法
@ダミーチューナーでアンテナロッドの長さを決める作業。
下図ピンクの線がその結果で計画周波数が中心になる様ロッドの長さを決めます。
Aアンテナのバンド用専用チューナーと交換しアンテナの根元でホルダーの調整穴から目標周波数が最良となる様回路のC1・C2を仮調整します。その際インピーダンスも50Ωが望ましい。
B使用するフィーダーを接続しシャックでアナライザーのSWRが3以下となる周波数との表を作る。
Cアンテナ根元での結果と大きく差がある場合は専用ホルダーの高周波的接地が不完全と考え適切な手段が必要となります。場合に依っては設置場所を変更しないと処理できない場所もある。
安定した計測のためアンテナの根元にパッチンコアーを数個用いています。
SWR値と周波数との関係表からExcelを使ってグラフに現したものが以下の表です。 2011/Jul
なおこの調整方法はアナライザー程度の出力でお願いいたします。
実験結果から得られたこと
Hamstick Antenna のパンフにはモービルアンテナとして使用する場合の調整方法が書かれており、この手法でバンドに依っては実測 SWR
1.2程度まで落とすことが可能でしたが・・・
私の狙いは使用したい帯域で SWR :1.1以下でした。40m・20m・6mバンドを除いて予想以上の成果とその効果が感じられたためご紹介する事としたのです。
40m・20mバンドについてはアンテナ本体の特性上無理な要求でもあるが、更に回路を替えて実験を重ねたい。6mバンドではチューナーのロスを考えチューナー無しで使う事としました。
強風時アンテナの一時待避を目的に専用ホルダーをローテーター上に設置した時もありました。
しかし、廻転の度にSWR値が定まらず結局柱に固定し現在は安定した値で推移しています。
調整は必ずセットのチューナー部の蓋を開けた後専用ホルダーにセットし調整穴から行います。
設置場所を変え、このアンテナセットを計測すると、再度の調整が必要である事が判ります。
雨天での計測でも変化が無ければアースの状況が良好と判断しています。
角部屋の関係からベランダの金属製手摺りが延べ25M以上あり、全部をケーブルで直結した結果幸いにも良好なアース(カウンターポイズ)となったと考えております。
このシステム唯一の欠点は・・・・バンド毎にアンテナセットを交換する必要がある!
アンテナ交換不要のSD330(第一電波製)でも実験を行ったがモービル専用の垂直設置条件等の問題もあり比較対象になりませんでした。
これらの実験はSSBでの運用と平行して行い、当初FT-817で5W運用だったものが現在はIC-703で3W運用と更に低減可能の域に入りました。
リグの発生した出力を可能な限りロス無くアンテナ部から放出する事を目標、とすると次々と気になる手段や部材が発見出来ます。
最近の発見は専用ホルダーロックネジ(1点アース兼用)に接触不良が発生しました。
運用時、常時戻り量を監視することで異常の発見が早く、お勧めの管理方法です。
QRP運用のお勧め
コンディション次第でDX局には迷惑かも知れませんが、ローカル局にも運用が気付かれにくい隠密運用が可能です。当然インターフェアーの問題も発生しません。
集合住宅で免許状の出力で運用を継続されている方は多いはずです、更なる省エネも大切です。
工夫次第で効率の良い運用を目指されることを期待しております。