このカードは小学校時代の学友、藤枝 祐造氏のデザインによるもので、アメーバーを図案化したものです。
1954年に初版を作成し交換を始めました結果、たびたび何の図柄ですかと尋ねられました。

                 混信と裏技

A3のスポットでの運用ですから2波はウナリを立てた猛烈な混信で、まともな時間帯でのQSOは不可能な状態が続きました。とは言いながら時効を理由に裏技を・・・、水晶発信子を僅かながら研磨する事で中心周波数をズラス事で混信を避けて運用した。当局による監視の耳も厳しく運の悪い局は忠告の通知を受けていた。悪い事は出来ないものです。
                          2波で試験電波の産声

記念すべき開局場所:東京都大田区矢口町246番地、現在は地名変更等があり地図の上では所在不明です。
待ち兼ねての試験電波発射は書類の到着を待ち即日A3で7メガ帯、2波のみでの運用が始まったのです。
2波とは 7,050K/c & 7,087.5K/c のスポットで、当時としては厳しい周波数精度要求から送信には水晶発振子を使った送信機のみ、受信機とも自作機が一般的でした。周波数の表示は現在 KHz となりました。
              コール発給と免許証

大戦のため禁止されていたアマ無線は敗戦後、周波数・出力・設置場所など多くの制限を受けながらOM達の努力で再開され、私は1953年10月20日付で当時の郵政省関東電波管理局よりコールサインと予備免許を受けました。
今は見る影も無い髪が黒々とした20歳の学生の無線局長は当時の免許証(更新)がそのアカシです。
                            免許の期限と定期検査

現在ハムの従事者免許は終身となりました。また無線局免許期限は5年です。ハイパワー局でなければ定期検査もありません。無線機器は購入出来ますし開局は楽になりました。
当時の体験話です。アマチュア無線従事者証の有効期限は5年・アマチュア無線局免許状の期限は3年、毎年定期検査があり期間中の運用報告を出すのも無線局長の大切な業務なのです。
年に一度の定期検査に来られる郵政技官(ハムの場合が多い)は意外と理解があり歓迎されましたが、郵政事務官の場合は書類の検査など細かい指摘があり、仲間内では『ハズレ』とささやいたのです。
定期検査はローカルの数局と同日が多く検査官を送迎し合い、不合格とならない努力は涙ぐましいものでした。
送迎とは名ばかり・・・実は検査用の水晶発振子をリレーしていましたっけ。その後番号を記載されてシマッタ!!
                 落成検査

当時は電波管理局検査官による落成検査の合格で本免許となるため、落成検査を一日千秋の想いで待ったものです。
検査が終了しても合格の通知が届かないと本免許とはならないのです。それまでの交信は全て試験電波と名乗ったのです。
開局時の交信証